高校野球では、グローブの色や紐、刺繍などについての規定があります。
この規定を正しく知らないと、購入したグローブが使用制限に引っかかり、試合で使うことができないなんてことも起こり得ます。
今回はこんなトラブルと防ぐために、高校野球球児が知っておくべきグローブの規定・使用制限について解説します。
高校野球で定められるグローブの規定・使用制限について
高校野球用具の規定は、公益財団法人 日本高等学校野球連盟が定めており、グローブでは下記の項目が規定されています。
- 本体カラー
- 縫い糸
- ハミ出し
- しめひも
- へり革
- 刺繍
- 商標(マーク)表記
グローブ本体カラーの規定

<カラー> ※投手用・捕手用・野手用 共通
2024 年度 高校野球用具の使用制限 – 公益財団法人 日本高等学校野球連盟
・本体カラーは、ブラウン系、オレンジ系、ブラックとする。(親掛けも含む)
また使用できるカラーであれば、表部と裏部(平裏)部のカラーが違っていても使用可とする。
・品名・品番・マーク類などをスタンプによって表示する場合の色は、ブラックまたは焼印の自然色でなければならない。
上記が、高野連によるグローブの本体カラーに関する規定です。
ホワイト系のほか、レッド系やブルー系、グリーン系といった色が使用不可となりますが、高野連がブラウン系・オレンジ系と認めたカラーであれば、ホワイト系・レッド系に見えるカラーでも使用可能となります。
例えば、GSグローブの「キャラメル」はブラウン系、SSKの赤ワインっぽい色(レディッシュブラウン)もブラウン系、ミズノの赤色っぽい色(ラディッシュ)はオレンジ系に指定されており、全て使用OKです。
注意点を挙げるならば、ブラックはブラック系ではありませんので、ネイビーなどの黒っぽい色は全てNG。どの色が使用可能かは、メーカーが公表しているはずなので、公式サイトを確認するようにしましょう。

縫い糸(ステッチ)の規定

<縫い糸>
2024 年度 高校野球用具の使用制限 – 公益財団法人 日本高等学校野球連盟
・特にカラー制限を定めない。
縫い糸(ステッチ)については、カラー制限はありません。
既製品を購入するのであれば選択の余地はありませんが、縫い糸だけでグローブの雰囲気は大きく異なるので、グローブのオーダーを検討している方は、こだわるべきポイントの一つですね。
高校野球用の場合、本体カラーや色の組み合わせ自体には参考になりませんが、縫い糸の色の参考にはなるかと思いますので、ぜひ下記記事も参考にしてみてください。

ハミ出しの規定

<ハミ出し>
2024 年度 高校野球用具の使用制限 – 公益財団法人 日本高等学校野球連盟
・グラブ本体と同系色で目立たないもの、または革の自然色とする。
ハミ出しについては、グローブ本体と同系色で目立たなければ玉ハミでもOKとのことですが、“同系色で目立たない”の定義は人それぞれですので、審判が厳格な方であれば同系色でもNGとなる可能性も否定できません。
既製品は切りハミ(=革の自然色)が多いので問題ありませんが、オーダーをして玉ハミを選ぶ際でも、基本的には本体カラーに合わせることが無難でしょう。
しめ紐(レース)の規定

<しめひも>
・投手用グラブのしめひもは、グラブ本体と同色でなければならない。
ただし、グラブ本体と同系色で目立たないものについては差し支えない。
・野手用(捕手含む)グラブのしめひもは、本体カラーと同系色とする。
ただし、ブラックとブラウン系のしめひもに限っては本体カラーにかかわらず使用できる。・しめひもは、長すぎないこと。親指の長さ程度にすること。
2024 年度 高校野球用具の使用制限 – 公益財団法人 日本高等学校野球連盟
レースについては、色と長さに規定があります。
色については、投手用は本体と同色または同系色で目立たないもの、野手は本体と同色またはブラック・ブラウン系のレースであれば使用OKです。ブラック・ブラウン系に該当する色が何色なのかはメーカーによって異なりますので、オーダーするなら、お店の人に相談しながら決めると良いでしょう。
長さについては、長すぎると審判より指摘を受けることもあります。親指程度の長さにするよう記載されていますので、長すぎる場合には自身で切り短くしておきましょう。
へり革の規定
<へり革>
2024 年度 高校野球用具の使用制限 – 公益財団法人 日本高等学校野球連盟
・グラブ本体と同系色で目立たないもの。
ヘリ革については、上記のみ規定されています。
刺繍の規定

・グラブ、ミットの表面(捕球面・背面)に氏名、番号、その他の文字を表記することを禁止する。
2024 年度 高校野球用具の使用制限 – 公益財団法人 日本高等学校野球連盟
刺繍については、目に見える部分への刺繍はNG、見えない部分への刺繍はOKです。
高校野球用のグローブに刺繍したい場合は、ひら裏に入れるようにしましょう。
商標(マーク)表記の規定

<商標>
2024 年度 高校野球用具の使用制限 – 公益財団法人 日本高等学校野球連盟
・その大きさは縦4センチ、横7センチ以内とする。
・商標の材質は、布片に刺繍または樹脂の成型物のほか、連盟が認めたものとする。
・表記箇所は、背帯あるいは背帯に近い部分、または親指のつけ根の部分のうちいずれか1箇所とする。
・投手用グラブに商標を表示する場合、その色は文字の部分を含み、すべて白または灰色以外の色でなければならない。
商標(マーク、ラベル)については上記のように規定があります。
基本的に野球メーカーが出す商標は規定内で作られていますが、投手用グローブのみ、白・灰色の商標は使用NGとなっています。一部グローブの商標には、白・灰色が入ったものもある可能性があるので、その点だけ気をつけましょう。
【高校野球】グローブ規定・使用制限のまとめ
高校野球のグローブには、規定・使用制限がいくつもあります。
既製品のグローブを買う場合には特に問題にならないかと思いますが、グローブをオーダーする場合には、この規定・使用制限をしっかりと確認しておかなければなりません。
高校野球でも問題なく使用できるグローブをオーダーしたい場合は、野球専門店などに訪問して、スタッフと相談しながらオーダーすることをおすすめします。

