グローブの人差し指と中指の間に、小さな革のパーツが設けられていることがあります。この部分は「指股(ゆびまた)」と呼ばれ、すべてのグローブに付いているわけではありません。
では、どのようなグローブに指股が採用されているのか。そして、指股を設けることで、グローブにはどんな効果が生まれるのか。
今回は、見落とされがちなこのパーツに注目し、グローブの指股がもたらす効果や役割について、分かりやすく解説していきます!
指股がグローブに与える主な効果

指股があることで、グローブには主に次のような効果が生まれます。
効果1:指付け根部分の破れ防止
グローブの中でも、人差し指と中指の付け根部分は捕球時の衝撃が集中しやすく、最も破れやすい箇所です。ここに指股を設けることで、捕球面の革の出っ張りを抑え、衝撃を分散させる効果があります。
特に、人差し指下にポケットを作る設計のグローブでは、指股の破れ防止効果が非常に重要になります。
効果2:指を分離して扱える
指股があるグローブでは、人差し指と中指の連動性があえて抑えられます。その結果、指を分離して使いやすくなり、当て捕りや押し込み動作がスムーズになるという効果があります。
これは、グローブを「握る」だけでなく「開いて使う」選手にとって、大きなメリットとなる指股ならではの効果です。
効果3:捕球面を広く使える
指股があることで、グローブ全体が横に開きやすくなります。中指から小指にかけての動きがスムーズになり、広く浅い捕球面を作りやすくなるのも指股の重要な効果です。
久保田スラッガーや源田選手モデルのように、捕球面を広く使うことを前提としたグローブには、指股が採用されているケースが多く見られます。
指股がないグローブの特徴と効果

一方で、指股がないグローブにも明確な効果があります。
指股がない場合、指全体の連動性が高まり、グローブを握り込む動作が非常に自然になります。人差し指から小指までが一体となって動くため、深いポケットを作りやすく、ガッチリと掴める効果が得られます。
今宮選手モデルのようなグローブは、指股を設けず、全ての指を折り込んで掴むシンプルな操作性を重視しています。余計なことを考えず、直感的に使える点も、指股がないグローブならではの効果と言えるでしょう。
まとめ
指股は小さなパーツですが、グローブの性格を大きく左右する重要な要素です。
指股があることで、グローブは広がりやすく、破れにくくなり、開いて使いやすいという効果が得られます。一方、指股がないグローブは、巻き込みやすく、シンプルで掴みやすい効果を発揮します。
どちらが優れているという話ではなく、グローブに求める捕球スタイルや操作感によって最適な指股の有無は変わります。これからグローブを選ぶ際は、ぜひ指股にも注目し、その効果を理解したうえで、自分に合った一つを選んでみてください。

