グラブの型付け方法を調べていると、「水揉み型付け」という言葉を見ることもあるかもしれません。
「湯揉みと何が違うの?」「実際どうやるの?」「依頼するときは何を伝えればいい?」と、気になる方も多いはずです。
水揉み型付けは、革の性質を活かしながら選手のプレースタイルに合わせて仕上げていく型付け方法のひとつ。特に、実戦感覚を意識した仕上がりを求める方に選ばれています。
今回は、水揉み型付けの基本から、実際の作業の流れ、依頼するときに知っておきたいポイントまで、ゴリラスポーツ本店で実際に行っている水揉み型付けの現場を例に、まとめて解説していきます。「水揉みが気になっているけど、勝手がわからない」という方はぜひ参考にしてみてください。
水揉み型付けとは?

水揉み型付けは、人肌程度の水にグラブを浸してから、革を揉み込んで型を作っていく型付け方法です。
熱を強く使わずに革をやわらかく動かせるので、革へのダメージを抑えつつ、狙った形状を作りやすいのが特徴。湯揉みほど柔らかくはしすぎず、スチームより落ち着いた仕上がりに整えられるので、「試合ですぐ使えるけど、革のコシは残したい」という方に選ばれやすい方法です。
湯揉みや即戦力型付けと同じく、プロやアマチュアの現場でも選ばれてきた王道の型付け方法のひとつです。
他の型付け方法との違い
水揉みは、他の型付けと組み合わせて理解するとよりわかりやすいです。ゴリラスポーツでも複数の型付けメニューを用意していて、グラブや選手の要望に合わせて使い分けています。
湯揉み型付け
熱いお湯を使い、革を柔らかく仕上げる方法。とにかく柔らかくしたい選手向けで、水揉みよりもソフトな仕上がりになります。

スチーム型付け
スチームで革を柔らかくしてから形を作る方法。再調整や、細かい微調整に使いやすい型付けです。

水揉み型付け
水を使って革を動かしながら、二段階に分けて仕上げるのが基本の考え方。革へのダメージを抑えつつ、実戦向きの仕上がりに整えたい方向け。
つまり水揉みは、「湯揉みほど柔らかくはしない、でも即戦力レベルにしっかり仕上げたい」というちょうど中間を狙える型付けと言えます。
水揉み型付けの実際の流れをゴリスポ先生が紹介!
ここからは、実際にゴリラスポーツで行った水揉み型付けの流れを紹介します。
ゴリラスポーツ本店では、ネットショップでご購入いただいたグラブについても、購入後にメールで詳しくヒアリングをしています。今回、事前ヒアリングで受けたご要望はこちら。
- 親指側をよく開きたい
- 小指側を効かせたい
- ウェブ下で逆シングルを捕球したい
- 中指と薬指で握り替えができるようにしたい
- 硬さは試合で使えるくらい(=やや柔らかめ)
このように要望が明確なほど、水揉みは狙った形に仕上げやすくなります。
Day1:大枠を作る工程

まず、人肌程度の水にグラブを浸けるところからスタートします。この温度感が水揉みの肝で、革を必要以上に傷めずに動かせる状態を作ります。
しっかり水を切ったあと、揉み込みに入りますが、ゴリラスポーツの型付けで意識しているのは関節をいきなり決めきらないこと。革が水を吸って柔らかい状態でギュッと形を決めすぎると、必要以上に柔らかくなってしまうためです。

今回のケースでは、こんな調整をしていきました。
- 土手はあまり柔らかくしすぎない
- ウェブ下は逆シングル用に、少しくぼみを作る
- 反らしすぎるとボールが引っかからないので、程よく残す
- 親指側と小指側の向きを整える

さらに、ウェブ下に型付けボールを入れて体重をかけていきます。これで、ボールが引っかかるゾーンをはっきり作れます。
Day1のポイントは、あくまで”大枠”を作ること。関節は完全には決めず、翌日の仕上げ工程のための下地を整えます。

作業が終わったら、CLOSERで保湿し、直射日光の当たらない場所で陰干し。ゴリラスポーツ本店では、入口の電動シャッター前に直射日光が当たらないスペースがあり、ここでしっかり陰干しをしています。
Day2:関節を決めて仕上げる工程
乾いたグラブは、軽くスチームをかけて再度ほぐし直すところから2日目が始まります。

スチームは30〜40秒程度が目安。長すぎると必要以上に革が緩んでしまうので、感覚重視で調整します。
ここから、思いっきり体重をかけて関節を決めていく工程に入ります。Day1とは違い、この日はしっかり関節を作り込む段階です。
今回のように軟式用のしなやかなグローブなら、1〜2回で決まることが多いです。一方で、ハタケヤマのミットや和牛JBのグラブなど硬い革を使ったものは、水揉み工程を何度か繰り返すこともあります。

ポケット作りには、ハンマーとボールを使用。今回のご要望である薬指と中指の下あたりの握り替え用クレーターもこの段階で仕上げます。

さらに、関節を決める工程では、ゴリラスポーツ自慢の約80万円の型付けマシンで強い負荷をかけながら、ポケットの深みや形状を作り込みます。
最後の仕上げ:CLOSERで保湿

水揉み型付けが完了したら、最後はゴリラスポーツオリジナルの保湿オイル「CLOSER」でしっかりケアします。
これは、革のダメージ軽減と、紐の張り付き防止のための工程です。
水揉みは水を使う型付けなので、この最後の保湿工程まで含めてワンセット。ここまでやって、届いた瞬間から実戦感覚で使えるグラブが完成します。

水揉み型付けを依頼するときのポイント
水揉み型付けを依頼するときは、以下のような情報を伝えていただけると、狙った仕上がりに近づけやすくなります。
- ポジション(内野・外野・投手・キャッチャー)
- ボール種(硬式・軟式・ソフト)
- どんな捕り方をしたいか(当て取り/掴み/パカパカなど)
- 開き具合の希望(親指側・小指側)
- ポケットの位置(ウェブ下/中央/中指薬指付近など)
- 硬さの希望(試合で使えるくらい/がっちり/柔らかめ)
「よくわからないのでいい感じに」でも対応はできますが、要望が具体的なほど、水揉みの再現度は上がります。
水揉み型付けの依頼はゴリラスポーツへ
ここまで読んで、「自分のグラブも水揉み型付けで仕上げてほしい」と思った方は、ぜひゴリラスポーツにご相談ください。
ゴリラスポーツでは、年間1,000個以上の型付け実績、トップアマやプロ野球選手からのヒアリングをもとに培った知識、最後のCLOSER保湿までを含めたワンストップの型付け を提供しています。
GSグローブはもちろん、他社メーカーのグラブの持ち込み型付けもお受けしています。ミズノ、ローリングス、ゼット、ワールドペガサス、ハタケヤマ、アトムズ、Dクエスト、アメイジング…、と幅広いメーカーのグラブ型付けに対応しています。
ネットショップからのご購入であれば、購入後にメールで細かくヒアリングをさせていただき、あなたの捕り方や希望に合わせて水揉み型付けを進めていきます。持ち込みでの型付けをご希望の方は、ゴリラスポーツ本店まで直接ご相談ください。
型付けは、グラブの完成度をまるで変える大事な工程です。せっかくの一枚を”本物の相棒”に育てるなら、ぜひゴリラスポーツにお任せください。

まとめ
水揉み型付けは、革へのダメージを抑えながら、実戦向きの形状にじっくり仕上げていく型付け方法です。
湯揉みほど柔らかくはしすぎず、スチームより実戦感がある。そんなちょうどいいバランスを狙える型付けとして、多くの選手に選ばれてきた方法です。
グラブは、型付けの一手間で完成度がまるで変わります。水揉み型付けが気になっている方は、ぜひ自分の捕り方や希望を整理したうえで、ゴリラスポーツにご相談ください。
狙った通りの仕上がりに近づけるほど、グラブは本物の相棒になっていきますよ。




